民事信託

なぜ今「信託」なのか

信託とは財産の管理・処分を信頼できる人に託し、そこから生まれる利益をある人に与える制度です。
日本において、今まで信託は生活の中で一般に使われる文化がなかったが、実はさまざまなニーズに応えることのできる魅力的な制度なのです。
日本の信託制度は約90年の歴史がありますが、今まで信託といえば営利を目的としてかつ業として行う信託銀行等の信託会社がかかわる商事信託でした。しかし規制緩和の流れを受け行われた平成18年の信託法改正により、多様な信託の利用が可能となりました。そして利用可能となった様々な信託を商事信託と対比して民亊信託と呼んだりもしています。
信託法が改正されて以後、法律家や税務の専門家によって家族のために活用できる信託の仕組みや実際の活用方法、さらには課税問題について研究検討がなされてきました。そして信託を実務の中で一般に利用されている相続や遺言、あるいは贈与という法制度によらず相続財産等を円滑に承継する仕組みとして、また判断能力が不十分な人を支援する後見制度を補完しあるいはこれに代わる仕組みとして活用することが始まったのです。

 

「信託」の基本的な仕組み

信託においては、原則として「委託者(託す人)」「受託者(託される人)」「受益者(利益を得る人)」の三当事者が登場します。ただここで託すといっても信託によって財産の所有権が移転する点に特徴があります。これが民法上の任意代理、委任、寄託、遺言執行等の他の財産管理制度と違う信託の独自性を生み出します。

信託では対象となる財産の所有権自体を受託者へ完全に移転させることにより、委託者の死亡後の長期的な財産管理など、民法上では不可能な目的達成を可能とさせる転換機能が認められます。

信託の基本要素として [1]信託行為 [2]信託目的 [3]信託財産があります。
1. 信託行為とは信託をするときの取り決めのことであり [1]信託契約 [2]遺言 [3]自己信託があります。
2. 信託目的とは信託の基本的な内容であり、信託契約等に詳細に規定します。
3. 信託財産とは委託者から受託者に移転された財産であり、委託者ではなく受託者の名義となります。信託財産には、動産・不動産・債権・知的財産権・特許を受ける権利などを含みます。信託財産は受託者の名義となるが、受託者の固有財産と区別されるので受託者の債権者から信託財産への強制執行等は禁止され、受託者の経済状況等の影響を受けずに財産管理ができます。

 

「信託」の具体的な活用法

財産管理能力がなくなった場合に備えて(成年後見支援信託)

複数の不動産や預貯金を保有するご高齢者に推定相続人として息子と娘の2名がいる場合

「もしも、自分が認知症になってしまったら…」
現所有者がそのような状態になってしまった場合、存命中は推定相続人である息子と娘では、資産の売却や運用といったものはできません。この際に信託を活用してそのような事態を防げないでしょうか。

本人名義の資産(不動産、預貯金等)を信託財産とし、本人の息子・娘の2人を信託財産の受託者にして財産の管理・運用を託し、本人が生きておられる間は受益者として生活費等を貰えるようにします。

信託を活用することによって、認知症になって資産の売却や運用ができなくなる不安と闘いながらの資産管理や運用から解放され、信託設定後に本人が認知症となったとしても受託者である息子と娘は今まで通り資産の管理・運用をし、資産の運用益から受益者である本人に生活費、治療費等を支払う事が可能となります。

この場合においては、信託の設定時点において原則的に贈与税の負担は生じません。不動産の名義は信託財産として息子と娘に移りますが、信託の仕組みでは受益者(=本人)を所有者とみなして原則課税する為、息子と娘への贈与税の問題は発生しません。

 

二次相続以降も計画的に資産承継したい場合(後継ぎ遺贈型受益者連続信託)

「自分が死んだら全財産を妻に相続させ、妻が亡くなった時には3人の子のうち確実に長男に妻が相続した財産を引き継がせたい。」しかし、そのような内容の遺言書を残しても法的には全部は有効とはなりません。

なぜなら遺言では、自分が亡くなった時の財産の承継先を指定することはできてもその後(二次相続以降)の指定はできないからです。従って、前述の遺言の「自分が亡くなったら妻へ」という部分は法的に有効ですが、妻が誰に相続させるかは妻の自由なので「自分の次に妻が亡くなった時は長男へ」という部分は無効となります。これが遺言の限界です。
この夫の願いを叶えるには、夫の遺言とは別に妻も「自分が亡くなったら全財産を長男へ」という遺言書を残すしかありませんが、夫は妻にそれを強要はできません。また、もし仮に妻が夫の望み通りの遺言を書いたとしても、夫の死後に妻や他の子供達の要望によって遺言が書き換えられる可能性もあります。妻が既に認知症等で判断能力に問題が生じていた場合は、遺言自体することができません。

このように、遺言では先々の財産承継についての指定ができません。しかし信託を活用すればこれが可能となります。

例えば、自分の財産を信託財産として『委託者兼受益者・自分、受託者・長男』とする信託契約を長男と結びます。そしてその契約の中で、自分が亡くなった後は妻が受益者となり受託者である長男から生活費や医療費の給付を受けるようにし、次に妻が亡くなった時にはこの信託を終了して残余財産を全て長男に承継させる旨を予め決めておきます。
受益権の承継者を何代か先まで指定しておくということは、実質的には財産の承継者を何代か先まで指定しておくのと同じです。ただ受益者は何代先までも指定できますが、期間には制限があり「信託設定から30年を経過した時以後に、初めて受益者となった者が死亡するときまで、もしくは当該受益権が消滅するときまで」が期限となります。

しかし民法で無効とされている「二次相続以降の財産承継者の指定」を実質的に可能にする手段は、この後継ぎ遺贈型受益者連続信託しかありません。何らかの事情で自分の死後の先々の財産承継者を指定しておきたい場合は、この後継ぎ遺贈型受益者連続信託の活用を検討すべきだと思われます。

 

民亊信託の報酬基準

遺言信託スキーム 金20万円より
(信託財産の価格により変動します)
信託契約スキーム 金30万円より
(信託財産の価格により変動します)
信託監督人・受益者代理人・信託管理人
への就任
応相談
信託事務処理の代行等信託スキーム
のサポート業務
応相談

※内容により変更のある場合があります。
※別途消費税がかかります。

 

北めい司法書士事務所にお任せください

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